『VIVANT』第20話考察:野崎はなぜ、あっさり秘密を暴露した? このまま終わるはずがない…本当の狙いとは?【ネタバレ】
『VIVANT』第20話 ©TBS
堺雅人主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。10月11日に放送された第20話では、別班とテントによる奪還作戦が激化し、正義と復讐の境界線が揺らぐ。緊迫の展開に隠された伏線と、今後の物語を左右する謎を考察する。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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華麗なアクションの裏に潜む“命の軽さ”が恐ろしい
『VIVANT』第20話 ©TBS
いよいよ実行に移された別班員の奪還作戦。乃木(堺雅人)率いる別班とテントの連合軍がシャキ城へと到達し、シンシーとの白熱した攻防戦が描かれる一方で、エリシャ(Manaf Dadashov)の娘・プリシャにまつわる謎が解き明かされる。
日曜劇場『VIVANT』の第20話では、第2シーズンではほとんど映し出されなかったアクションシーンがド派手な映像とともに描かれた。容赦なくシンシー戦闘員たちの命を奪っていく乃木のやり方を見て、あらためて別班は裏の組織なのだと実感させられた。
正直なところ、シャキ城への侵入は緊迫感のある雰囲気で描かれるものかと思っていたが、チョッキー(OHM)が赤外線センサーに挑むシーンや遠隔支援を行う東条(濱田岳)の戸惑いを筆頭に、積極的にコミカルな描写が取り入れられていたように思う。
エンターテイメント性を重視して、視聴者を惹きつけることを意図しているのだろうが、現場で起きている凄惨な人の死をカモフラージュしているようにも映る。第1シーズンと比べても呆気なく命を奪われるキャラクターが多く、太田(花岡すみれ)や東条がたじろぐ姿もたびたび映し出されている。
特に気になったのは、ノコル(二宮和也)が城から出てきた敵組織の人物を次々と狙撃するシーン。扉の隙間から見えたのが黒須(松坂桃李)たちを拉致した佟(東浩)だと認識した直後、ノコルは彼の頭をためらいなく撃ち抜く。
その報告を受けた乃木も「よくやった」と返答しており、殺された和田(平山祐介)の復讐という名目で、残りの2人の命も狙っているのは間違いない。
現状は憎しみを連鎖させて、次なる悲劇を生み出す物語になっているように感じるが、本作はどのような結末へと向かっているのだろうか。
「全員生還」の約束が重すぎる…乃木(堺雅人)に迫る残酷な選択
『VIVANT』第20話 ©TBS
ようやく拉致されていた黒須たちの救出に成功し、奪還作戦から脱出作戦に移行する乃木たち。しかし、ゴルバド共和国から出国するためには、シンシーの追っ手を振り払わなければならない。ここからが正念場だ。
事前に仕掛けたトラップを起動させた車の爆破シーンは大迫力の映像に仕上がっており、逃走劇を見守る視聴者を熱狂させたことだろう。しかし、東条がスイッチを押すタイミングが遅れたことで、追っ手の半数は今もなお乃木たちを追跡中だ。
今後の展開を考えれば、誰かがシンシーの追手を足止めする必要がある。その役目を誰が引き受けるのかは定かではないが、チームの全員生還を断言した乃木にとっては、残酷な選択を強いられることになるのではないか。
どちらにせよ、ゴルバドからの脱出劇は一筋縄ではいかないはず。当てが外れた乃木の次なる一手に期待したい。
野崎(阿部寛)の不可解な言動…本当に操られているのか?
『VIVANT』第20話 ©TBS
一方で、情報ブローカーのタイラン(Mirze Aghabayli)の屋敷へとやってきたリュウ(堺雅人/三役)は野崎(阿部寛)を利用して、彼のもとからエリシャ(Manaf Dadashov)の娘・プリシャを連れ去った人物を特定する。
それがテントの指導者・ベキ(役所広司)とアディエル(ツァスチヘル・ハタンゾリグ)。まさか第1シーズンで命を落としたとされる2人が、本作の中心に渦巻く核融合技術のカギを握るとは思ってもみなかった。
そして、本件にアディエルが関わっていることで、必然的にプリシャの正体は彼の娘・ジャミーン(本間さえ)であることが濃厚になってしまった。
元々、第1話のラストでベキはジャミーンについて「また、1人にさせてしまったな」とこぼしていた。彼女がアディエルの本当の娘ではないことを知っていたベキは、誰よりもジャミーンのことを案じていたのだろう。
気がかりなのは、野崎があっさりとアディエルやジャミーンの素性を白状したことだ。彼の行動の意図がまったく読めない。あえて名前を伏せていたはずのノコルの顔写真もあっさりと提示してしまった。
本当にリュウの操り人形になってしまったのかと不安になってしまうが、野崎のことだからすべての言動には何か理由があるのだと信じたいところだ。
復讐は新たな復讐を生む…別班とシンシーに共通する危うさ
『VIVANT』第20話 ©TBS
シャキ城から黒須たちを助け出したはいいものの、まだまだ予断を許さない状況が続いている。空港までの道のりで何か重大なトラブルが起きるのは確実で、このまま脱出できたとしても、シンシー側は本当に手に入れたいテントの情報を野崎から仕入れている。
今後、おそらくシンシーは日本にいるジャミーンと薫(二階堂ふみ)を拘束しにかかるだろう。上層部の命令に背いて別班員の救出に向かった乃木だが、もしもジャミーンと薫が人質に取られるような状況になれば、2人を助けるために再びゴルバドへと向かうことになる。
また、今回、周(リンリン)や李(木幡竜)は仲間を殺されたことで、別班への憎しみをいっそう募らせることは間違いない。仲間の仇討ちによって復讐の連鎖が加速していくなかで、それぞれの正義がぶつかり合うという単純な構図に両者を当てはめてもいいのだろうか。
オルコ村の人々に協力を仰ぐ際、誇りに訴えかけてはいたものの、大金を掴ませた事実に変わりはない。乃木たちの視点で物語を追いかけているから彼らに肩入れしたくなるが、家族を人質にして情報を手に入れようとするやり方は、別班とシンシーに共通する手口だった。
奪還作戦がスタートして以降は大きなトラブルもなく、着々と計画通りに進んでいるように見える。果たして、乃木たちは無事にゴルバドから脱出することができるのだろうか。
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【著者プロフィール:ばやし】
ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。
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